北海道らしい風景のなかを富良野へ

2011.10.22

茂尻を過ぎると民家も稀となり、エゾマツ、トドマツ、白樺の入り混じった原生林の中を行く。その合間を流れる清冽な空知川を左手に見下ろす。赤平の次に現れる街らしい街といえば芦別で、そこでは五人降り、四人が乗ってきた。ここも元は石炭の町で、かつては三井芦別鉄道という炭鉱線も分岐していた。今は「星の降る里・芦別」として売り出しているが、隕石がよく落ちてくるというわけでもなさそうである。上芦別、野花山と過ぎ、あいかわらず白と雪だけの色のない世界が続くけれども、地勢はやや嶮しくなり左右に山壁が迫ってきた。落葉樹に被われた山が多く、なんだか針山のようにも見える。線路端にはトドマツなどの常緑針葉樹が生い茂り、どれもどっぷりと雪を被っているのでクリスマスーツリーが並んでいるみたいだ。左手を流れる空知川が黒い帯のように見える。そんな景色をぼんやり眺めていると、突然、長いトンネルに突っ込んだ。全長二八二〇メートルの島ノ下トンネルで、ダム工事により従来からの線路が水没するため新たに掘られたものである。この線路付け替えにより滝里という駅が失われた。

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